SDGs

【SDGs】目標2の『飢餓をゼロに』に取り組む企業事例

SDGsの17目標の一つに、目標2である「飢餓をゼロに」といったゴールが存在します。
飢餓をゼロにすると言っても、様々な場面に対して企業のアプローチ方法があります。

本記事では、目標2である「飢餓をゼロに」に対してアプローチする企業の具体例をご紹介します。

17目標のゴール2とは

SDGsゴール2は、あらゆる形態の飢餓と栄養不良をなくすことが目標です。

社会的弱者を含むすべての人にいつでも栄養ある食事が届くよう、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成すると共に、持続可能な農業を推進します。

持続可能な農業生産システムをつくろう

安定的な食糧確保に向けて第一に取り組むべき課題は、農業生産性の向上です。
けっして途上国だけの課題ではありません。

日本でも大型台風や局地的豪雨の頻発など、自然災害による農業生産性の低下が問題となっています。

そのうえ、2050年には世界の人口が97億人になると予測されています。
食料確保は全人類が抱える、共通にして最大のテーマです。

そこで世界が注目していることの1つが、持続可能な農業生産システムの構築です。

その取り組みのプロセスには、生産技術の向上や効果的な労働分配、汚染された土壌の復元、生物多様性を損なわない農薬や農法の開発など、さまざまな分野の市場とビジネス機会が存在しています。

日本では、地方の耕作放棄地の活用も課題です。
新規就農者を増やし、農業生産による食料自給率を高めていくことも目標です。

ゴール2の企業事例

SDGsにおけるゴール2を解決・解消するために活動している企業を4つご紹介します。

SALASUSU

SALASUSUはバッグやストールなどを製造、販売するライフスタイルブランドです。
カンボジアに工房を構え、経済的に困難な背景をもつ現地の女性たちを積極的に採用し、職人として育成することで自立を支援しています。

地元の素材も活用し、ハンドメイドで製品を生産しています。

また育児所も設け、従業員の子どもたちの教育も実施しており、工房視察ツアーなど顧客と直接コミュニケーションできる取り組みなどを通じて、より深い理解と共感を生み出しています。

SALASUSUでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・生産において生産者の搾取や犠牲のうえに成り立っていないか?

・児童労働によって生産された商品ではないか?

・従業員を公平な賃金で雇用しているか?

・人種、性差などによる差別のない職業訓練や技術教育を支援できているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

自然派化粧品ブランド THE BODY SHOP

植物由来の製品で知られるイギリス発のTHE BODY SHOPは、世界の貧困地域の経済的自立を「援助ではなく”取引”で」実現しています。

それが、支援を必要とする地域(コミュニティ)から、対等なビジネスパートナーとして公正な価格でシアバター、ココナッツ、オリーブなどの原料や雑貨を取引するコミュニティフェアトレードを行っています。
現在の取引先は20か国以上にも拡大しています。

また生産コミュニティを育成するための活動にも取り組み、生産者の生活向上につながっています。

THE BODY SHOPでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・仕入先を犠牲にする価格設定になっていないか?

・正当な価値評価から適正な価格を守り、不当な低額になっていないか?

・平等な雇用により格差を生み出す価格になっていないか?

・経済的に平等な権利を持つことに配慮して価格設定しているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

セコマグループのセイコーマート

北海道を拠点とするコンビニ・チェーンです。
店内にキッチンを備え、カツ丼などのメニューを調理したての温かいままで提供するなど、業界の常識を覆す発想が注目されています。

原料の生産、物流、小売りまでを自分たちで担らサプライチェーン構築もそうした取り組みの1つです。
24時間営業ではない店舗も多く、そうしたことが従業員の働きやすさにもつながっています。

また地域の防災物流拠点としての役割も担っています。

セイコーマートでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・消費者の利便性や自社の利益を優先し、流通に関わる企業や人に過剰な労働負荷をかけていないか?

・劣悪な職場環境や不当な賃金での労働を強いていないか?

・倫理的な販売教育や環境に関する研修等を採り入れているか?

・一部の富裕層だけが購入できる販売方法となっていないか?

・デジタルデバイドにも配慮した購入方法を導入しているか?

・視覚、聴覚弱者などに配慮したユニバーサルデザインを採用しているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

モモンドのThe DNA Journey

The DNA Journeyは、デンマークの旅行検索サイトmomondo(モモンド)が2016年に行った動画のプロモーションです。
さまざまな生活者をDNA検査し、そのルーツをたどりました。

はるか遠い国、自国と敵対していた歴史を持つ国などに、実は自分のルーツがあったことを知り驚く様子を動画で配信しています。

視聴者の共感を呼び、国や人種、宗教などで分断される世界に警鎖を鳴らし、印象だけで行き先を選ばずいろいろな場所へ旅してみたい、との思いを多くの人に喚起することに成功しました。

The DNA Journeyでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・世界および国内の貧困や飢餓をなくすためのコミュニケーションを実施しているか?

・ジェンダーの不平等を解消するコミュニケーションになっているか?

・広告やプロモーションにおいて、さまざまな弱者への配慮を意識したクリエイティブを採用しているか?

・誰もが幸せと感じるキャンペーンを目指しているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

まとめ

ここまででSDGsにおける目標2である「飢餓をゼロに」について活動している企業をご紹介しました。

紹介した企業の共通点は、「人の格差を解消するビジネス」であることがよく分かると思います。

SDGsにおける目標2に対して、あらゆる形態の飢餓と栄養不良を終わらせるために、間接的な透明性のあるフェアトレードといった経済を回すことで、誰もが基本的な資源やサービスを確保できるよう企業活動が行われています。