「スポーツ」と聞くと、なんとなく体がワクワクしてきたり楽しそうなイメージが浮かびませんか。
実は筆者もウエイトリフティングをやっていたスポーツ好きの一人です。
筆者の周りはスポーツマンが多く、ビジネスにスポーツを絡めて取り組みたいという方は少なくありません。
そういった需要は多いのではないかと思い、せっかくなのでスポーツに絡めたマネジメントの記事を執筆することにしました。
この記事では、「マネジメントとスポーツの関係性」について解説します。
スポーツマネジメントとは
私たちがスポーツマネジメントと呼んでいる領域は、ここ数年間において急激に拡大しており、新しい活発な動きが広がっています。
スポーツマネジメントは扱う範囲が広く、スポーツ関連の書籍にも色々書かれており定義が定まっていません。
これからのスポーツビジネスの観点とマネジメントの観点、両方からの注目が期待できます。
定義は曖昧ですが大まかな内容は以下の通りになります。
スポーツマネジメントとは、「スポーツに関わる全てのマネジメント活動」のことを示します。
つまりスポーツ関連の団体の経営、スポーツイベントの開催や運営などに関係性のある仕事のことです。
ただ関わる全てとは「スポーツそのものを使う」ということが概念付けられており、スポーツ産業の複合領域全てが含まれているわけではないということです。
例えばスポーツに関連した商品「スポーツドリンク」や「スポーツ用品」はスポーツマネジメントとしては定義されておりません。
「プロ野球」や「Jリーグ」など、スポーツそのものが使われてることが重要な概念とされています。
スポーツマネジメント分野は日本でも多くの大学で学ぶことが出来るようになりました。
現在では約100校(2018年データ参照84校)に達しており、10年前のデータと比べると2倍近く増加しております。
体育の大学にスポーツマネジメント学科などが見受けられますが、現在はビジネス視点からも見ていくことが増え、経営学部などでも学ぶことができます。
またスポーツマネジメントはビジネス面のみならず、お金に関わらないスポーツマネジメントでも活躍しております。
マネジメント=成果、つまり「稼ぐ」とイメージしやすいですが、ここがスポーツマネジメントの面白いところです。
詳しくはこの後の章で解説します。
スポーツマネジメントというものがどのような分野で使われているのか、もう少し詳しく説明します。
スポーツに関する2種類のマネジメント
現在スポーツマネジメントは大きく分けると2つの領域で考えられています。
・参加型スポーツマネジメント
・観戦型スポーツマネジメント
それぞれ解説します。
参加型スポーツマネジメント
参加型スポーツマネジメントとは、文字通りスポーツに参加することを目的としたマネジメントです。
参加型スポーツマネジメントは企業側がビジネスとして関わっているケースもありますが、その数は多くはありません。
どちらかというと、国や地方自治体といった組織が中心となり活動することがほとんどです。
有名なのが「さいたまSPORTSFestival」、身近なものでは地域型のマラソンや学校などの部活動も挙げられます。
参加型スポーツマネジメントの目的は「お金」よりも子供たちの「育成」や地域の「健康」をメインとして運営されています。
スポーツが日本国民全般にもっともっと浸透して発展してもらえればと思います。
観戦型スポーツマネジメント
観戦型スポーツマネジメントとは、誰かがスポーツを観戦するということです。
スポーツのことを大好きな人たちが現地で試合をみたり、現在ではインターネットやSNS等で観戦し楽しまれています。
観戦型マネジメントは、一般の人たちが観戦することにより、ビジネスとして成り立つため、企業が営利目的で参入していることが多いです。
例えば国際的スポーツイベントでは、オリンピックや最近だとラグビーワールドカップ、また有名なのはプロ野球観戦やサッカー観戦に当たります。
観戦型マネジメントには、2つのマーケティング手法があります。
・1回の開催でファンを最大限に満足させ短期的に収益を得る
・何度も開催することでファンを継続的に満足させ長期的に収益を得る
短期的に収益を上げる観戦型マネジメントは、オリンピックやワールドカップがわかりやすい例です。
4年に一度の開催であり世界各国から人が一斉に集まります。
競技大会組織委員会が2018年3月29日に発表した2020年のオリンピックの観客数の予想は(新型コロナウイルスの為延期)780万人と想定されていました。
この人数に加えてメディア関係者約2,5万人と選手ら1,1万人が参加すると予想され、経済効果は30兆円を超えると言われていました。
金額をみても想像がつきませんが、この規模だけ考えても短期的に収益が上がることを理解いただけたかと思います。
長期的に収益を上げる観戦型マネジメントは、プロ野球やJリーグが有名です。
リーグ型は1年に何度も観戦してもらう必要があります。
短期的収益と違い、人をたくさん集めるのではなくチームを愛してくれる熱狂的なファンを生むことが重要になってきます。
またメディアとの関係性も大切にしていかなくてはなりません。
メディアにとってもスポーツはとても魅力あるコンテンツなので、スポーツ業界とメディアがよりマッチングし発展すれば、我々一般市民もよりスポーツを楽しむことができるでしょう。
スポーツの結果と収益は比例しない
スポーツマネジメントとの特質として、スポーツの結果が収益と比例しないことが挙げられます。
ビジネスの観点からみると商品を契約した結果、収益が上がることは明らかです。
しかしスポーツの観点からみると、選手が試合に勝利したとしても必ず収益が上がるとは限りませんよね。
つまり「強いチームを作る=ビジネスの収益」にはならないです。
競技の成果でマネジメントを行う場合は「勝利」にフォーカスするマネジメントになりますが、「収益」の側面で捉えるならスポーツの結果は気にしなくて構いません。
ファンの皆さんにとって、勝利することが一番の顧客満足度で向上に繋がりますが、ビジネス視点では勝利することを軸に考えては大きな収益は得られません。
どちらかというと、試合以外の要素で満足させることが収益を上げるのうえで重要です。
勝っても負けてもファンが楽しんで過ごせるように工夫することが、ビジネスの観点でのスポーツマネジメントには必要な要素です。
もちろん応援しているファンの皆さんは「勝利」を望んでいますしチームもファンのために勝たなくてはなりません。
スポーツでの勝利とビジネスでの勝利、両方獲得できれば一番最高な形ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
この記事では「マネジメントとスポーツの関係性」について解説させていただきました。
スポーツマネジメントでは「稼ぐ」ことだけが成果に繋がるわけではありません。
スポーツチームや選手を「勝利」させることも立派なマネジメントですが、ビジネスの観点からみると必ずしも「勝利」が成果にはつながりません。
例えチームや選手が「負け」ていたとしてもビジネスの収益が上がっていれば「勝利」となるのです。
スポーツマネジメントがこれからも発展し続け、様々な場面で使われることがあれば筆者も嬉しく思います。
最後までお読みいただき有難うございました。