SDGs

【SDGs】目標10の『人や国の不平等をなくそう』に取り組む企業事例

SDGsの17目標の一つに、目標10である「人や国の不平等をなくそう」といったゴールが存在します。

人や国の不平等をなくそうと言っても、様々な場面に対して企業のアプローチ方法があります。

本記事では、目標10である「人や国の不平等をなくそう」に対してアプローチする企業の具体例をご紹介します。

17目標のゴール10とは

SDGsゴール10は、国内および国家間の格差を是正するための目標です。

経済発展と共に高まっている所得格差は、世界共通の問題です。

金融の流れの改善と同時に、必要な地域への開発援助や外国直接投資も推進します。

地産地消の小規模生産者を応援しよう

経済格差が生まれる背景には、実は政治的な圧力による不公平な耳輸入などの問題も潜んでいます。

不公正な取引を目的とした不法な森林伐探や希少な動物の捕獲、不当な鉱物資源の発掘などは、生態系を破壊するだけでなく、途上国の労働環境や文化の損失、地域コミュニティーの崩壊にもつながっています。

さらにレアメタルなど希少な資源の採掘過程は、貧困や経済格差の要因となるだけでなく、紛争や戦争などの一因ともなっています。
商品の製造過程で、公平な取引のもとでつくられた原料を扱らことはこれからのビジネスの基本です。

一方、商品の販売に関わる企業は、差別のない取引を行うことが大切です。

そのうえで、さらに地産地消の小規模生産者を応援するバリューチェーンを意識した取り組みを始めることもできるはずです。

ゴール10の企業事例

SDGsにおけるゴール10を解決・解消するために活動している企業を4つご紹介します。

DoconomyAB.の「DO」

スウェーデンのフィンテック企業、Doconomyが発行した、ユニークなクレジットカードがあります。

購入した商品やサービスから排出されるCO2を自動計測し、アプリを通じて利用者に表示する仕組みがあります。
プレミアム版のカードには、CO2排出量によって利用が制限される機能もあります。

モノの豊かさに貢献したこれまでの資本主義経済のあり方を問うような発想が、かえって心の豊かさを醸成し、消費者から受け入れられています。

DoconomyAB.では、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・物質的な豊かさだけでなく、心の豊かさを育む商品になっているか?

・若者や障害者を含むすべての人びとが、生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事をしているか?

・生産過程において同一労働同一賃金を達成することに配慮しているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

Everlane

シンプルで上質な衣類とファッション雑貨を販売する、アメリカ発のオンラインブランド「Everlane」があります。
原料の調達から、契約工場の賃金や労働環境にまで貫かれた、エシカルへのこだわりでも共感を呼んでいます。

しかし最大の特徴は、「徹底した透明性」を創出しています。

消費者の知る権利を尊重し、各商品の材料費から人件費、輸送費まで、原価を開示しています。

結果として各工程それぞれにおいての適正価格が実現し、関わる人すべての豊かさにつながっています。

Everlaneでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・顧客や取引先が豊かな生活を得ることが可能な提供価格になっているか?

・不当に自社だけの豊かさを追求した価格と利益確保になっていないか?

・その価格は関係者と地域の幸せに貢献できているか?

・ロ短期的な利益だけでなく、長期的な安定と安心を実現する価格設定になっているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

ユニリーバの「Shakti」

世界的な日用品・食品メーカー、ユニリーバは社会課題をビジネスで解決する先駆者的な存在でもあります。
インドから始まったプロジェクト「Shakti」(シャクティ)はその好例になります。

これは流通網のない農村部の女性を職業教育し、衛生製品などの販売を委託する仕組みです。

コミュニティの衛生向上や女性の自立につながると同時に、流通網を広げ事業としても成功しています。
同社は現在、インドでのシェア1位の消費財メーカーです。

ユニリーバの「Shakti」では、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・自社のサプライチェーンに携わるパートナーが豊かな生活を得ることができているか?

・地域コミュニティーや地域経済の発展に寄与する流通拠点となっているか?

・フェアトレードのような公平な格差是正と同時に、安定した仕入れを確保できる自立支援や農業支援を行っているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

スターバックスの「ハミングバードプログラム」

東日本大震災を受けて2012年に始まったプログラムです。

指定期間中に、プログラムの対象となるスターバックスカードで購入された商品代金の1%や新規発行時の100円が、同震災で親を亡くした子どもたちの進学を支援する団体に寄付されてきました。

震災の年に生まれた子どもが最長で6年制の大学を卒業するまでの支援を目標とする同団体に加え、2020年からは相対的貧困の子どもたちの支援のためにも寄付されます。

特定の場所で地産地消を実施するために、間接的な支援も有効なSDGsだと理解できると思います。

スターバックスでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

・物質的な豊かさの訴求だけでなく、心の豊かな社会を築くことを訴求できているか?

・顧客だけでなく、その家族や地域住民が幸せを実感できるプロモーションになっているか?

・廃棄物の発生を防いだり、大幅に削減するためのメッセージを発信しているか?

・顧客が、自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つための啓発につながっているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

まとめ

ここまででSDGsにおける目標10である「人や国の不平等をなくそう」について活動している企業をご紹介しました。

紹介した企業の共通点は、「心の豊かさを育むビジネス」であることがよく分かると思います。

SDGsにおける目標10に対して、国内および国家間の格差を是正するために、誰もが基本的な資源やサービスを確保できるよう企業活動が行われています。