SDGsの17目標の一つに、目標12である「つくる責任、つかう責任」といったゴールが存在します。
つくる責任やつかう責任と言っても、様々な場面に対して企業のアプローチ方法があります。
本記事では、目標12である「つくる責任、つかう責任」に対してアプローチする企業の具体例をご紹介します。
Contents
17目標のゴール12とは
SDGsゴール12は、持続可能な生産と消費の方法を実現するための目標です。
経済成長と持続可能な開発の達成には、天然資源の管理方法と有害廃棄物などの処理方法を改善し、人間活動が環境に与える負荷を削減する必要があります。
リサイクル技術で循環型経済へシフトしよう
人間として暮らす中で不可欠な「モノを買う」という行為があります。
しかしその消費活動を通して、環境破壊や経済格差に加担していない人はいないのではないでしょうか。
とりわけ産業革命以降、資源を無限のようにとらえ、発展してきた先進国は、大量生産、大量消費、大量廃棄を繰り返してきました。
そのことを顧みて、それぞれの企業は責任ある持続可能な生産方法を採用したいものです。
一方、個々の生活者も自身のライフスタイルにおいて、持続可能性を高める仕組みに配慮するような消費活動を心がけることが大切です。
地球資源は無限ではないです。
だからこそ資源を効率的に活用し、自然との共生や資源循環を目指すリサイクル技術などを活用し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)にシフトさせていくことが、地球環境の持続性だけでなく、企業の持続性向上にもつながります。
ゴール12の企業事例
SDGsにおけるゴール12を解決・解消するために活動している企業を4つご紹介します。
パタゴニアの「パタゴニア プロビジョンズ」
パタゴニアの食品事業になります。
同社が掲げる「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」という志のもと、壊れた食の流れを修復し環境を再生することを目指しています。
気候変動、土壌再生、責任ある農業生産、動物福祉の実現につながり、環境、経済、社会に包括的かつ統合的に影響オーガニックや責任ある方法で供給さを与え得るビジネスです。
消費者にとっては、こうした企業姿勢と商品そのものの力の双方から、身体も心も豊かになる商品と受け止められています。
パタゴニアでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。
・原材料調達において環境に負荷をかけていないか?
・自然資本や資源を過度に使用して商品をつくっていないか?
・利用資源の削減に配慮しているか?
・エネルギー効率や再エネを活用して生産しているか?
・商品は土壌汚染や海洋汚染に影響を与えていないか?
これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。
アディダスの「PRIMEBLUE」
アディダスが海洋環境保護団体、Parley for the Oceansと共創したシューズとウェアのコレクションがあります。
「未来の海を紡ぎ出すアップサイクルプロダクト」をキャッチコピーに、海岸や海沿いの地域で回収した廃棄プラスチックをリサイクルし、素材の75%以上に活用しています。
さらに、エネルギーと水の消費量を軽減するブリント工程を採りアディダスの「PRIMEBLUE」入れて製造しています。
高めの価格設定ながら、健康志向で環境意識も高いアスリートの共感を得ています。
アディダスでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。
・自然環境に対してフェアな仕入れに立脚した価格となっているか?
・不当に安くすることで環境負荷をかけていないか?
・安くするために不法伐採や密猟による生態系や自然の破壊を引き起こしていないか?
・地球環境復元や保全に寄与する価格の工夫に努力しているか?
これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。
ウォルマートの「ProjectGigaton」
アメリカ発の大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、いち早くサステナビリティー活動に取り組んだ企業です。
Project Gigatonもそうした活動の1つになります。
これは2030年までに、自社サプライチェーンから排出される温室効果ガスの、1ギガトン(年間約2億台の自動車の排気ガス相当)削減を目指すプロジェクトです。
2018年には参加企業が400社以上にのぼります。
各社にそのノウハウも提供し、サプライチェーン全体で共創しています。
ウォルマートでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。
・自社の流通は環境に負荷をかけていないか?
・販売において過剰な梱包や包装によりゴミを増加させていないか?
・環境や人の健康への悪影響を最小限にとどめるため、化学物質や廃棄物の削減に配慮した流通になっているか?
・流通における水使用やエネルギーの効率化(CO2削減)を徹底しているか?
・トレーサビリティを確保する流通システムとなっているか?
これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。
マクドナルド・スウェーデンの「McHive」
2018年、スウェーデンに世界最小のマクドナルド店舗「McHive」が完成しました。
店頭のポスターはもちろん、ドライブスルーまで完備しています。
その顧客、実はミツバチです。
世界中の全農作物の4分の3は、ミツバチをはじめとする生物によって受粉されています。
気候変動の影響などからそのミツバチが激滅、このままいくと食糧危機を迎える危険性も指摘されています。
こうした問題に警鐘を鳴らすプロモーションとして、世界中から注目されました。
マクドナルドでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。
・パッケージや広告が資源の無駄につながっていないか?
・環境保全のためのコミュニケーションを行っているか?
・広告やプロモーションを通じて、小売や消費レベルにおける食料廃棄や衣料廃棄を半減させることを促進できているか?
・気候変動対策の緩和、適応、影響軽減に向けた行動を訴求しているか?
・生物多様性の消失を防ぐプロモーションに配慮しているか?
これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。
まとめ
ここまででSDGsにおける目標12である「つくる責任、つかう責任」について活動している企業をご紹介しました。
紹介した企業の共通点は、「環境問題を解決するビジネス」であることがよく分かると思います。
SDGsにおける目標12に対して、持続可能な生産と消費の方法を実現するために、誰もが基本的な資源やサービスを確保できるよう企業活動が行われています。