現在では、ネットビジネスの情報も手に入れやすく個人で取り組みやすい環境が整っています。
ネットビジネスの選択次第では、PC一台で挑戦することができたり、収入も本業を超えるほど稼ぐことができるのが魅力的です。
そのため、副業に取り組みたいと考える人が増えている状況です。
しかし、副業に取り組みたいと考える一方で、本業への影響があるのかを考える必要があります。
本記事では、本業に悪影響を及ぼさず副業を軌道に乗せるための内容と副業に対して押さえておくべきポイントを解説していきます。
Contents
副業は本業に対して悪影響を与えるのか?
副業は本業に対してどれほどの悪影響を与えるのか、実際に調査されているレポートなどがあります。
その内容では、副業は本業に対して悪影響を与えるどころかプラスの影響を与える結果となっています。
とはいえ、副業への取り組み方を間違えてしまうと本業に対して悪影響を及ぼしてしまうのも事実です。
そのため、単に副業を始めるとかえって危険なので注意点がいくつか存在します。
この章では、データで見る「副業の実態」についてお伝えしていきます。
まずはこちらの(株)リクルートキャリアによる「兼業・副業に対する個人の意識調査(2019)」のPDFレポートから確認していきます。
こちらの画像では、リクルートキャリアによる兼業・副業の取り組みよって、本業に対する変化をアンケート調査したものです。
様々な回答が寄せられている中で、「本業の仕事の魅力を改めて感じた」という回答が31.2%を占めており、副業が本業に対してプラスの影響を与えていることが分かります。
また、パーソル総合研究所の「副業の実態・意識調査」においても、以下の結果が得られています。
こちらの副業による本業の変化についての調査結果で注目してほしい点は、本業に対してのパフォーマンスが低下している層より高まった層の方が割合を多く占めているということです。
このように企業の調査結果から、副業による本業への影響はプラスになることが示されています。
では、実際に副業に取り組むことで具体的にどのような影響が現れるのか解説していきます。
副業が本業に与える『良い影響』とは
実は、副業に取り組むことによって本業に与える『良い影響』はいくつも存在します。
筆者も副業に取り組み、独立・起業を実現することができましたが、特に自身で得られた『良い影響』をご紹介します。
・業務上の成果物に注目するようになる
・対人関係における心のゆとりができる
・「人を動かす」ことについて認識が変化する
・スキルを活用できる
これらの一つ一つを具体的に解説していきます。
かなり熱を込めて力説することになるので、感情的な表現に関してはご理解ください笑
業務上の成果物に注目するようになる
会社勤めであるほとんどのサラリーマンであれば、働いた時間に対して給料をもらう働き方だと思います。
決まった時間・決まった場所で働くことによって、基本的に給料が支払われることになります。
一方で、副業というのは成果物に対して報酬を支払う成果物主義の働き方です。
例えば、仮に何かしらの業務で100時間働いたところで、その業務上の成果物が無ければ報酬はないということです。
逆に言えば、成果物さえあれば1時間で数十万円を稼ぎ出すことも可能ということです。
本業だけで働いている人であれば、『何時間働いたか?』という部分に着目します。
副業では何時間働いたとしても価値がないため、『どれだけ成果物を生産できたか?』という部分に着目します。
筆者も会社勤めの経験がありますが、だらだらと作業をこなしている人であったり、成果物の提出期限を守らず引き延ばす人であったり、勤めているだけで時間を浪費し給料がもらえる会社に所属しているからこその働き方をする人がいました。
副業では時間の浪費をすること自体構わないわけですが、成果物が生産できない限り報酬も絶対に発生しません。
報酬を手に入れたいのであれば、成果物を生産する他ありませんので、自然と効率的で素早い作業を心掛けて取り組みます。
そのため、ただ漫然として働くだけで手に入れられる給料の重みとは比較にならないほど、副業での成果物に対する報酬の重みを知ることができます。
全ての会社員に当てはまるわけではありませんが、やってもやらなくても給料が変わらないのならどうしても時間で考えてしまうのが会社員です。
これから副業を始める人であれば「時間の切り売り」で考えるのではなく、「成果物の数」を意識しましょう。
このような考え方を持つことによって、本業においても効率化のための施策を考えたり、短時間で高い集中力を持って取り組むようになります。
対人関係における心のゆとりができる
心のゆとりに関する影響は、社内の対人関係でストレスを抱えている人であれば納得していただけると思います。
副業で収入が得られるようになると、「いざとなったら会社を辞めても収入ゼロにはならないぞ!」と思えるようになります。
これは、自分自身で稼ぐ力を身に付けたから引き起こされる心のゆとりです。
会社で働くのみの生活を基盤にしていると、収入源は一つしかないので業務トラブルや人間関係のトラブルが生じる度に疲労やストレスが溜まってしまいます。
例えば、会社で働いていると多かれ少なかれ以下のようなケースを経験したことがあると思います。
・先輩にネチネチと絡まれて腹が立つ
・仕事にミスが起きて落ち込む
・上司に納得のいかない評価を受けてしまう
こういったケースに出くわしたとしても、副業での経験によって感情的に追い詰められた気持ちになりにくいです。
副業による逃げ道及び選択肢があるというだけで心のゆとりになります。
『人を動かす』ことについて認識が変化する
「個人で稼ぐ力」を求めて副業に取り組む場合、今までに利用してきた肩書きを使用できないケースが多いです。
〇〇株式会社勤務、〇〇部所属、部長・課長、社歴〇年など、このような肩書きを全て取り除いて仕事を獲得するあるいはやり遂げることになります。
こういった状況で取引先・クライアント・チームメンバーなどを動かすためには、自分自身にスキルや魅力が必要不可欠になります。
そして、副業でこの状況を経験することによって、本業での出来事も捉え方が変化してきます。
例えば、以下のケースで考えてみるとわかりやすいと思います。
1. 朝礼で部長が「誰にも響かない話」をした時
副業に取り組んだ経験がない人であればおそらく、「早く終わらないかなぁ。」ぐらいにしか感じないと思います。
副業に取り組んだ経験があると、どういう話し方であれば興味を惹き意図が伝わるだろうかと考えるようになります。
つまり、他人事で考えるものが自分自身の出来事だと捉えるようになってきます。
2. 先輩が上司の指示に面従腹背だった時
こちらも副業に取り組んだ経験がない人であれば、「このやり取りめんどくさいなぁ」と感じると思います。
副業に取り組んだ経験があると、上司の指示のどこに反感を買ってしまう問題があるのか分析することもあります。
相手の立場になって、どうすれば指示に対して腹落ちするのか考えるようになります。
3. 自分自身が後輩に頼み事をする時
これに至っては副業に取り組んだ経験がない人であれば、「後輩に嫌われたくないなぁ」と思うかもしれません。
副業に取り組んだ経験があると、後輩側のメリットが可視化できるように頼み事を行うようになります。
こちらにおいても相手側の立場になって試行錯誤するようになります。
このように様々なケースで同じ出来事が発生しても、捉え方や伝え方、考え方がガラッと変化します。
会社の看板もお金もない中で、どのように人に動いてもらえるのか考えるのが副業のスタートの一つにあります。
そして、もし自分だったらどう人を動かすのかを試行錯誤します。
こういった思考実験と行動の結果、対人コミュニケーション能力が向上します。
他人から学ぶことによって、自分自身で思考することによってレベルアップできるわけです。
これらを取り組み続けた結果、実績とともに信頼を得られたり、自信をつけることができたり、自分の看板となるものが生まれて成果を上げやすくなってきます。
実は本業でも副業でも結果を残せる人は、「人を動かす」ことにも長けているということです。
同じ出来事であっても、副業を経験することで「人を動かす」という考え方を養うことができるのは、副業の良い影響の一つになります。
スキルを活用できる
こちらは副業が与える良い影響の中でも、より実践的な影響になります。
筆者は様々な副業に挑戦していますが、このブログ記事もライティングスキルが必要になる仕事です。
このライティングスキルを向上してきたことによって、会社員時代では資料作成に活かすことができました。
また、副業を本気で取り組むことによって本業で活かせる自身のステータスアップにもつながります。
この自身のステータスアップとは何を意味しているのか詳しく解説すると、本来会社での働き方は就業時間以外は働きません。
しかし、副業に取り組み収益を生み出すためには、あらゆる時間を利用して稼げるまでの知識・ノウハウ・実践的スキルを養う他ありません。
つまり、収益を生み出せるタイミングが訪れるまでは、副収入0円で自習し続けるしかありません。
自分自身を鼓舞して、誰に言われるわけでもなくコツコツと知識・ノウハウ・実践的スキルを獲得し、ひたすらに成果を出せるまで時間という概念は捨てることになります。
効率化や自動化を行えるタイミングは、稼げる仕組みが確立できて初めて取り組めることです。
そして、副業で収入を獲得することができた人であれば、稼ぐためのサイクルや考え方を確立できているので、本業にも間違いなく活かすことができます。
実際にリクルートキャリアのアンケート調査においても、副業している5人に1人は『本業に役立つ技術的なスキルを得ることができた。』と回答しています。
副業が本業に与える『悪い影響』とは
ここまで副業が本業に与える『良い影響』について解説してきましたが、残念なことに良い影響ばかりでもないです。
取り組み方によっては、かえって『悪い影響』を与えてしまうことがあります。
この『悪い影響』が強く現れてしまうと、「副業のために本業をおろそかにする」パターンにはまってしまいます。
そうならないためにも、しっかりと『悪い影響』についても理解してほしいです。
副業が本業に与える主な『悪い影響』は、以下の2つです。
・効率性の悪さが耐えられなくなる
・過重労働による悪循環が発生する
これらも一つ一つ詳しく解説していきます。
効率性の悪さが耐えられなくなる
おそらくサラリーマンの人であれば、一度は会社内の非効率的な業務を発見した経験があると思います。
副業に取り組むことによって、本業の業務内容の効率性に対して嫌気をさすことが多くなります。
これはもはや副業あるあるの一つだと思いますが、副業を始めると会社の業務に関する非効率性が今まで以上に耐え難くなります。
・何も決まらない会議
・丁寧すぎる社内向け資料の作成
・連絡が滞る社内メールのやり取り
・ダラダラ話す上司
・煩雑な社内手続き
業種ごとにも様々な非効率業務が出現すると思います。
例えば、筆者も副業に取り組みだしてから考え方が変化して、サラリーマン時代は以下の内容で頭を抱えていました。
月初ごとに1度社員全体に向けて社長挨拶がありました。
15分ほどの社長挨拶なのですが、挨拶の時間は朝の9:15から始まるため、社員は朝の9時前後には集合し始めます。
遅刻しないために早く出社するべきですが、かといって待ち時間を増やすと何もしない時間が増えてしまいます。
また、会社の出社時間は基本的に9時だったため、9時ピッタリに出社し、中途半端な15分間では仕事に手も付けられず15分の待ち時間が発生していました。
当然、私以外の社員も同じ状況でした。
仮に、社員全員が平均して待ち時間が15分としましょう。
私が勤めていた会社の従業員数は約200人前後でしたので、何もしない15分の待ち時間の合計は5000分、つまり50時間の損失です。
たった15分の待ち時間でも、従業員数で考えると丸2日の損失になるわけです。
社員の時給が仮に平均1500円だとしましょう。
50時間×1500円=75000円
75000円の損失を与えてしまうわけです。
もしもこれが大手企業であったりと従業員数が1000人規模以上であれば、少なく見積もっても損失は膨大なものになります。
この損失分のコストカットを考えられないのかと日々悶々としていたことを鮮明に覚えています。
もちろん、上記に挙げた項目等も含めた場合、この限りではないということです。
ただし、このように嫌気が差す状態になり、グレた考えや斜に構えた考えを持ってしまうと「本業をおろそかにする」考え方になってしまいます。
「こんなくだらない会議に参加したくない。」
「非効率だから受け入れられない。」
「こんなことに付き合ってられない。」
このように斜に構えた考え方になって、言動や態度に現れてしまったら要注意です。
これはただの上から目線の痛い奴になります。
こういった考え方を持つ人は、同僚を見下したり、会社の非効率性をバカにしたりと嫌われる対象になります。
当然、非効率性に対して疑問を持つことは良いことですが、人に対してどのように接していくのかは別問題になります。
つまり、このような斜に構えた考え方は誰の得にもならないということです。
また、会社組織であれば、その組織構成が大きくなればなるほどに意思決定の仕組みが複雑で煩雑な状態になるのは当たり前です。
・会社のやり方を受け入れる
・効率化を促進するために積極的な提案をする
・決して職場の人を見下さない
このような意識が非常に重要です。
特に効率化に関しては、上手に提案することで自分にも会社にもメリットがあります。
これらのことに気づいたからこそ、前向きで建設的な取り組みを意識しましょう。
それこそ、こういった場面で成果を出せる人になれば全ての高評価が手に入るチャンスに変えられます。
過重労働による悪循環が発生する
前述でも取り上げたパーソル総合研究所の「副業の実態・意識調査」では、過重労働によるデメリットが挙げられています。
・本業に支障が起きる
・体調を崩してしまう
筆者も例外なく悪循環を引き起こした1人ですが、私自身も副業開始当初はこの過重労働に苦しんだ経験があります。
時間管理もうまくコントロールすることができず、副業に対する時間が膨張するあまり睡眠時間を大幅に削り、本業がバッチリとおろそかになったタイプです笑
この自分自身で引き起こしてしまった失敗から得られた教訓は主に2つです。
・本業の時間は本業に費やし、副業の時間は副業に費やすことを徹底する
・睡眠時間は絶対に削らないこと
特に睡眠時間の確保に至っては、超重要事項になります。
副業を始めた直後というのは、なかなか結果に結びつけることができず、自分自身を不甲斐なく感じてしまうことが多いです。
そうなった場合、、、
「こんなことで大丈夫かな。。」
「もっと頑張らないと。。」
「時間が足りないから睡眠時間を減らそう。。」
こんなマイナス思考に陥ってしまいます。
実際に睡眠時間を削ってしまうと、、、
・身体が辛くなる
・情緒が不安定になってしまう
・処理・判断能力が低下する
・集中力が高まらない
・常に眠い状態になる
主にこれらの現象が引き起こされ、ポンコツサラリーマンの出来上がりです。
筆者自身もポンコツサラリーマンになってしまった経験があるからこそ、これから副業を始める人は睡眠時間を必ず死守してください!
まとめ:「副業=本業がおろそか」は間違っている
ここまで副業が本業に与える『良い影響』と『悪い影響』について解説してきましたが、『副業する=本業がおそろかになる』という単純な図式は成り立たないことが分かって頂けたかと思います。
改めて副業を始めることで得られるメリットを列挙しておきます。
・本業の魅力を再確認できる
・業務において新しい視点を獲得できる
・効率的な仕事ができる
・成果に着目できるようになる
・心にゆとりができる
・「人を動かす」ことについて認識が変化する
・スキルを活用できる
これだけのメリットが挙げられると思います。
とはいえ、頭の片隅に置いていただきたい以下のデメリットは注意してください。
・会社の効率性の悪さから人を見下してしまう
・過重労働による悪循環の発生
これらが本業をおろそかにしてしまうパターンになります。
そして、このような悪循環のパターンを回避するために、
・会社組織のやり方を理解し効率性を提案
・睡眠時間を絶対に死守!!
副業をこれから始めることに対して悩んでいるサラリーマンの人がいるのなら、「本業がおろそかになってしまわないか?」と悩むのではなく、「本業をおろそかにしないための考え方」を意識して取り組みましょう。