SDGs

【SDGs】目標13である「気候変動に具体的な対策を」を知る

ビジネスにおけるSDGsといった言葉は、現在トレンドワードとして浸透し始めています。
しかし、その内容について正しく理解している人はまだ多くありません。
SDGsを様々な側面から切り取り、より多くの人が深く理解できるよう解説します。
本記事では、SDGsにおける17の目標のうち、目標13について詳しく解説していきます。

SDGsとは

2015年9月、ニューヨークの国連本部で行われた国連持続可能なサミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。

その中核になるのがSDGs(エスディージーズ)です。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連に加盟する全193ヵ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標です。

以下の章でまとめてありますが、全部で17の目標が設定されています。
いずれの目標であっても、シンプルな表現で記載されていますが、裏を返せばこれらの目標を世界が解決しなければならない問題が存在することになります。

SDGsの17目標とは

SDGsとして各目標である17の項目を以下にまとめました。

SDGsの17目標

【目標1】貧困をなくそう
【目標2】飢餓をゼロに
【目標3】すべての人に健康と福祉を
【目標4】質の高い教育をみんなに
【目標5】ジェンダー平等を実現しよう
【目標6】安全な水とトイレを世界中に
【目標7】エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
【目標8】働きがいも経済成長も
【目標9】産業と技術革新の基盤をつくろう
【目標10】人や国の不平等をなくそう
【目標11】住み続けられるまちづくりを
【目標12】つくる責任、つかう責任
【目標13】気候変動に具体的な対策を
【目標14】海の豊かさを守ろう
【目標15】陸の豊かさも守ろう
【目標16】平和と公正をすべての人に
【目標17】パートナーシップで目標を達成しよう

現在企業でも数多くの持続可能な開発から目標を達成する動向が見受けられます。

もちろん、17目標すべてを達成する動きができるわけではありませんが、企業体質や企業の提供する価値に合わせてそれぞれの目標を組み合わせる形で取り組んでいる状況です。

以下の章から、目標13に対して解説します。

17目標のゴール13とは

SDGsゴール13は、気候変動とその影響に対する緊急対策をとることが目標です。
地球温暖化は全世界で気候システムに影響を与えています。
国の政策に盛り込むなど、世界が団結して早急に気候対策に取り組む必要があります。

省エネ・再エネ技術で温暖化を食い止めよう

2015年に「国連気候変動枠組条約締約国会議」(通称COP)で合意されたバリ協定があります。
世界の平均気温低下と、CO2排出量の削減を目標としています。
気候変動対策は、世界中が加速させるべき重点目標です。
その達成のため、企業には2つの取り組みが求められています。

1つは、温室効果ガスの排出量削減と、排出されたガスの吸収に関する対策(緩和)です。
省エネ化をはじめ、再生可能エネルギーなどの利用と技術開発、植物を活用したCO2の吸収対策などが考えられます。
もう1つは、気候変動の影響を予防・軽減するための対策と、変容した気候の活用(適応)です。

新たな防災システムの構築、災害に強いインフラの整備と技術開発、新たな気候条件に沿った持続可能な農業生産システムの取り組みなどが考えられます。
こうした分野で、すでに新しい市場が動き始めています。

ゴール13の問題・課題

【目標13 気候変動に具体的な対策を】に対して、世界が直面している主な問題・課題は以下の内容です。
列挙している内容は、一例に過ぎません。

・2019年の地球の平均気温は、過去2番目に高かった。このままだと2100年までに世界の平均気温は3.2℃上昇する可能性がある。

・パリ協定は地球温暖化を1.5℃に制限することを求めている。これには世界の排出量を2030年までに2010年のレベルから45%急減させ、2050年までに正味ゼロ排出量を達成する必要がある。

・新型コロナウイルスの影響により、2020年の温室効果ガス排出量は6%減少するかもしれないが、パリ協定が努力目標として掲げる1.5℃の上昇幅に抑えるために必要な年7.6%ずつの排出量削減には及んでいない。

例えば、世界の144ヵ国を対象とした調査によると、単一の自然災害による気候危機度ランキングでは、ベトナム・ソマリアに次いで日本が世界3位です。
複数の自然災害では、フィリピンに次いで世界2位です。
日本は早急な自然災害への対策が求められています。

ゴール13のターゲット

ゴール13に対して、具体的なターゲットが設けられています。
以下の内容がターゲットになります。

13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。

13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施し、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。

13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

ゴール13の企業事例

SDGsにおけるゴール13を解決・解消するために活動している企業を一つご紹介します。

ウォルマートの「ProjectGigaton」

アメリカ発の大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、いち早くサステナビリティー活動に取り組んだ企業です。

Project Gigatonもそうした活動の1つになります。
これは2030年までに、自社サプライチェーンから排出される温室効果ガスの、1ギガトン(年間約2億台の自動車の排気ガス相当)削減を目指すプロジェクトです。
2018年には参加企業が400社以上にのぼります。
各社にそのノウハウも提供し、サプライチェーン全体で共創しています。

ウォルマートでは、企業として以下の問いを設けて活動するようになったようです。

企業としての問い

・自社の流通は環境に負荷をかけていないか?
・販売において過剰な梱包や包装によりゴミを増加させていないか?
・環境や人の健康への悪影響を最小限にとどめるため、化学物質や廃棄物の削減に配慮した流通になっているか?
・流通における水使用やエネルギーの効率化(C〇2削減)を徹底しているか?
・トレーサビリティを確保する流通システムとなっているか?

これらの問いに対する問題・課題を解決/解消することで、SDGsの目標を達成しようと取り組んでいます。

まとめ

SDGsにおける各目標を理解するために必要な情報を収集することが世界的問題を解決する第一歩です。

要点まとめ

・SDGsとは何か
・SDGsにおける17目標とは何か
・SDGsという抽象化された内容から各ゴールへの結びつきを理解できているか
・各ゴールは何を解決するために存在するのか
・企業事例をもとに取り組める内容はあるのか

これらの内容を把握することで、企業/個人におけるSDGsへの取り組み方が可視化されていきます。